歯医者で働く、子どもを持つママ達のブログ

2024.05.14乳幼児期の飲み物で気をつけたいこと

お子さんの日常的な水分補給に何を飲ませていますか?
乳酸菌飲料やスポーツドリンク、ジュースなどを習慣的に摂取することは、むし歯のリスク
を高めるだけでなく、貧血や糖尿病など全身の健康にも影響を及ぼします。

水分補給は水かお茶で

先ほど例に挙げたジュースなどの飲み物には、想像以上の糖質が含まれています。スポーツ
ドリンクやイオン飲料、野菜ジュースなども「体によさそう」というイメージが先行してい
るものの、実際には栄養学的なメリットよりも飲むことによるデメリットが上回る飲み物
です。摂るべき栄養は、ジュースからではなく食事で摂れるように毎日の食事を工夫しまし
ょう。日常的な水分補給は水かお茶にすることを月齢が小さいうちから徹底すれば、子ども
がむやみにジュースや甘い飲み物を欲しがることもなくなります。

 

哺乳瓶むし歯(ボトルカリエス)にご注意を

特に、乳酸菌飲料やスポーツドリンク、ジュースなどの飲料を哺乳瓶やマグに入れて時間や
量を決めずにだらだらと飲むことはご法度です。哺乳瓶で飲料を飲むと、特に前歯の裏側に
飲料が長時間触れることになります。歯が糖質と酸性度の高い飲み物に長時間さらされる
ことは、むし歯のリスクを高めることに他なりません。特別な機会にこれらの飲料を飲む場
合も、必ずコップで飲むようにし、だらだらと飲まないように心がけましょう。

 

月齢の小さいうちから甘い飲料を飲ませることは、お口の健康にも全身の健康にも多大な
リスクがあるとともに、味覚そのものにも一生に関わる大きい影響を与えかねません。もち
ろん絶対に飲んではいけないということではありませんが、頻度や量にはくれぐれも気を
つけるようにしましょう。

2024.04.12子供の虫歯はなぜ進行速度が早いの?

こんにちは!

大人も子供も同じように虫歯になりますよね。

どちらとも一度虫歯になれば再発しやすくなり、治療を繰り返すたびに歯の寿命が短くなってしまいます。さらに、大人の歯に比べて子供の乳歯は、外側のエナメル質の厚みが薄く、虫歯になると進行スピードが早いです。

今回は、虫歯を進行させる原因や虫歯の進行速度を抑えるポイントについてお話しします。

 

  • 虫歯の進行速度が加速する原因

 

1.歯磨きが正しくできていない

歯磨きが正しくできていないと、プラークが残り、虫歯菌も多くなります。

虫歯菌が多いほど、虫歯の進行が早くなります。

 

2.糖質の摂り過ぎ

虫歯菌の餌となる糖質を摂り過ぎると、虫歯菌の活動はより活発になり、虫歯の進行が早くなります。

お米やパンなどで食事として適切な量を摂ることは大切ですが、甘いお菓子や清涼飲料水はできる限り避けましょう。

 

3.ダラダラ食べている

物を食べると口の中は酸性に傾き、少しずつ歯が溶け始めます。これを「脱灰(だっかい)」といいますが、唾液には酸を中和して、脱灰した歯の表面を修復し歯を強くする「再石灰化」の働きがあります。一日中、だらだら食べていると、脱灰の時間が長くなり、虫歯になりやすい環境になってしまいます。

 

4.よく噛まない

あまり噛まずに食事をしていると唾液の分泌が少なくなってしまいます。

唾液の分泌が減ると、歯の表面に汚れが溜まりやすくなったり、虫歯の進行が早くなります。

 

  • 虫歯の進行を止めるために

 

食後すぐの正しい歯磨き

三食だけでなく、おやつの後も必ず歯磨きをしましょう。

食後すぐに歯を磨く習慣を身に付けることが大切です!また、できればフッ素配合の歯磨き粉を使用しましょう。

 

定期的にフッ素塗布を受ける

フッ素は歯の再石灰化を促し、歯質を強化してくれるので、虫歯の予防だけでなく進行の抑制にも効果的です。

3~4ヵ月に1回定期的に受けることをおすすめします。

 

食べ方やおやつの内容の改善

よく噛ませること、ダラダラと食べさせないことに重点を置きましょう。

ご家族で一緒にきちんとテーブルで食事を摂る習慣があると、これらのことを習慣づけやすくなります。

またおやつについては、甘いものを避けて、おせんべい、小魚、ヨーグルトなどの虫歯になりにくいものを選ぶようにしましょう。

 

どんなにフッ素塗布をしたり食事に気をつけていても、毎日のブラッシングが上手にできていないと虫歯は進行してしまいます。

子供を怪我から守るように、子供のお口の中の環境をぜひ守ってあげてください。

お子様の虫歯についてお悩みの場合には、お気軽に「いちば歯科医院」へご相談下さい。

2024.03.14乳歯から永久歯への生え変わり

5〜6歳頃になると徐々に乳歯が抜けて、永久歯に生え変わっていきます。

生え変わる時の乳歯は、ぐらぐらしたり、痛みがあったりといったことが起こります。

自然に抜けるのを待ってもいいのか、歯科医院に行って抜いてもらった方がいいのか、迷うこともあると思います。

そこで、今回は乳歯から永久歯への生え変わりの時期に起こることについて、いくつか紹介していきます。

 

・乳歯がなかなか抜けない

乳歯が抜けないうちに、永久歯が生えてきてしまったり、なかなか抜けない乳歯によって痛みが出てきたり、あるいは抜けそうな乳歯に気を取られて生活に支障が出たりする場合は、抜歯が必要なことがあります。

親御さんが判断するのは難しいため、歯科医院に相談してみてください。

 

・乳歯がたくさん抜けてしまう

永久歯への生え変わりに伴って、自然に抜ける場合は問題ありません。

3ヶ月程度で永久歯が生えてきますので、安心してください。

 

・乳歯が抜ける前に永久歯が生え始めてきてしまった

速やかに歯科医院を受診してください。

生え変わりが終了した後、歯並びが悪くなってしまう可能性があるため、乳歯を抜く必要があります。

その乳歯を抜くと、永久歯が正しい位置に生えてくることができるようになります。

 

・生え変わり期に子どもが痛がる

生え変わり期の子どもから歯が痛いと言われると、むし歯なのか生え変わりによるものなのか、区別がつかない場合が多いです。

痛みに大きな違いもないケースが多いため、あまりに痛がるようなら歯科医院を受診してください。

乳歯が自然に抜けた後でもまだ痛がる場合は、生え変わり以外の原因が考えられるため、歯科医院を受診することをおすすめします。

 

・歯ぐきが赤くなる

これは、歯肉炎や、歯ぐきが傷ついていることが考えられます。

永久歯が生えてくる際に歯ぐきにあいた穴に雑菌が侵入したり、ぐらぐらしている歯が歯ぐきを傷つけてしまったりといったことで起こります。

歯みがきをしっかりと行い、お口の中を清潔に保つことによって防ぐことが可能です。

 

これ以外にも、生え変わり期のお子さんにはさまざまなことが起こってくると思います。

生え変わり期は、親御さんが仕上げみがきをやめる頃に始まります。

歯肉炎やむし歯のリスクも高まっているので、ぜひ生え変わり期が終わる頃までは仕上げみがきをしてあげてください。

心配なことや、なにか症状が出た際は、早めに歯科医院を受診してください。

いちば歯科医院では、ご不安な気持ちにより添い、丁寧な説明をする環境が整っておりますので、お困りの際はぜひお越しください。

2024.02.14歯科衛生士のお仕事について

歯科衛生士とは、「歯科疾患の予防及び口腔衛生の向上を図ることを目的とする」(歯科衛生士法第1条)職業のことです。

近年、歯の病気が全身の疾患に関わってくるということが判明しているので、歯科衛生士はとても注目されています。

国家資格がないと就けない仕事であるため、仕事内容も法律によって定められています。

歯科衛生士法によって定められた仕事は、以下の3つです。

 

①歯科予防処置

人が歯を失うのは、多くがむし歯と歯周病を原因とします。

そのむし歯と歯周病を予防するため、歯垢や歯石を除去したり、フッ化物の塗布をしたりします。

患者さんの歯を守るため、歯の状態などをよく確認しています。

歯科衛生士は、歯科予防処置の専門家でもあるのです。

 

②歯科診療の補助

歯科衛生士は、歯科医師と協力して診療にあたります。

歯科医師の診療を補助するだけでなく、実際に診療を担当することもあります。

患者さんと歯科医師のコミュニケーションを取りやすくし、信頼関係を築くこともしています。

 

③歯科保健指導

先ほど、むし歯や歯周病の予防のために歯垢や歯石の除去、フッ化物の塗布を行うと紹介しました。

むし歯や歯周病は生活習慣病の一種です。

もちろん歯科医院での予防、治療も大切ですが、患者さん自身が生活習慣を改善することや、家でのセルフケアもとても重要です。

歯科衛生士は、それを後押しするため、患者さんに専門的な指導を行います。

これは、年齢や持病、障がいのあるなしに関わらず、誰にも必要な支援です。寝たきりの方や、介護が必要な方にも重要であるといわれています。

子ども向けの食育や、高齢者向けの口腔トレーニングも新たに注目されてきています。

 

歯科衛生士は歯の病気を予防するため、歯科医師と協力してこのようなことをしています。

お子さんの歯のことに不安を抱えている親御さんも多いと思います。

いちば歯科医院では、大人の方だけでなく、お子さんの歯に関する相談も受け付けております。

お子さんへの歯磨きのトレーニングや、むし歯など歯の病気の説明なども行っています。

安心して相談できるような環境が整っているので、ぜひ当院へいらしてください。

 

・さいごに

歯科衛生士は、歯科医療の現場で活躍している不可欠な職業です。

歯科医師とともに患者さんの口腔内の健康を保つため、協力しています。

むし歯や歯周病を防ぐため、ご心配なことがある方は、歯科医師だけでなく、歯科衛生士をも頼ってみてください。

2024.01.15子どものむし歯予防について

赤ちゃんが生まれたばかりの頃はお口の中がきれいですが、その後だんだんとさまざまな菌がお口の中に入ってきます。

赤ちゃんは、生後6ヶ月程度ではじめての乳歯が生えてきます。

生えた時から、さまざまな病気のリスクがあります。

特に気になるのがむし歯ですよね。

親御さんのスプーンやフォークを共有することによって、赤ちゃんにむし歯菌がうつってしまうことがあります。

生後18ヶ月〜36ヶ月の期間は特に注意すべき期間です。コップや食器類は必ず使い分けてください。

1〜3歳ごろはむし歯になりやすい時期で、2歳半ごろは奥歯が生え、様々なものを食べるので、奥歯に食べかすがたまりやすいです。

永久歯に生え変わる前に、口の中のむし歯菌が多いと、永久歯がむし歯になるリスクも高まります。

それでは、親御さんができる赤ちゃんのむし歯対策はなんでしょうか。

まず一番気をつけて頂きたい事が、先ほどお伝えさせて頂いた、「食器を共有しない」ことです。

大人の口の中にいるむし歯菌を赤ちゃんに移してしまうため、コップやスプーンなどを共有するのは控えたほうがよいでしょう。

次に、適切な歯磨きをしてあげることです。

①歯の生える前から、口の中の刺激に慣らしてあげるため、授乳の後はガーゼでお口の中を綺麗にぬぐってあげましょう。

前歯が生えてくる頃までは、ガーゼで表面を拭き取ってあげるくらいで十分です。

②奥歯まで生え揃う頃までには、歯ブラシが使えるようになっているとよいでしょう。

子ども用の歯ブラシを使って1本1本丁寧に磨いてあげることが大切です。お子さんが喜ぶのなら、洗剤成分や研磨粒子の入っていないジェルタイプや液体の歯みがき剤を使ってあげるのも効果的です。

1歳3ヶ月〜3歳ごろには、自我が芽生えてきて、自分で歯みがきをしたがる子も出てきます。

歯みがきの習慣づけという意味でも、自分でやりたいという気持ちは尊重してあげるのがおすすめです。

しかし、まだ小さいということもあり、綺麗にみがくことはできません。

そのため、ご家族の方が仕上げみがきをしてあげることが重要になってきます。

奥歯の溝の部分に汚れが多く溜まるので、そこを重点的に磨いてあげてください。

子どもが上手にはみがきをできるようになるまでは、かなりの時間を要します。

年齢で言うと8歳くらいまでかかるので、その頃までは親御さんが仕上げみがきをしてあげてください。

お子さんの健康な歯を保つため、さまざまな対策をしてみましょう。

当院では、お子さんの歯に関する相談も受け付けています。

ぜひ、心配なことがあればお気軽にいらしてください!