2024.01.15子どものむし歯予防について
赤ちゃんが生まれたばかりの頃はお口の中がきれいですが、その後だんだんとさまざまな菌がお口の中に入ってきます。
赤ちゃんは、生後6ヶ月程度ではじめての乳歯が生えてきます。
生えた時から、さまざまな病気のリスクがあります。
特に気になるのがむし歯ですよね。
親御さんのスプーンやフォークを共有することによって、赤ちゃんにむし歯菌がうつってしまうことがあります。
生後18ヶ月〜36ヶ月の期間は特に注意すべき期間です。コップや食器類は必ず使い分けてください。
1〜3歳ごろはむし歯になりやすい時期で、2歳半ごろは奥歯が生え、様々なものを食べるので、奥歯に食べかすがたまりやすいです。
永久歯に生え変わる前に、口の中のむし歯菌が多いと、永久歯がむし歯になるリスクも高まります。
それでは、親御さんができる赤ちゃんのむし歯対策はなんでしょうか。
まず一番気をつけて頂きたい事が、先ほどお伝えさせて頂いた、「食器を共有しない」ことです。
大人の口の中にいるむし歯菌を赤ちゃんに移してしまうため、コップやスプーンなどを共有するのは控えたほうがよいでしょう。
次に、適切な歯磨きをしてあげることです。
①歯の生える前から、口の中の刺激に慣らしてあげるため、授乳の後はガーゼでお口の中を綺麗にぬぐってあげましょう。
前歯が生えてくる頃までは、ガーゼで表面を拭き取ってあげるくらいで十分です。
②奥歯まで生え揃う頃までには、歯ブラシが使えるようになっているとよいでしょう。
子ども用の歯ブラシを使って1本1本丁寧に磨いてあげることが大切です。お子さんが喜ぶのなら、洗剤成分や研磨粒子の入っていないジェルタイプや液体の歯みがき剤を使ってあげるのも効果的です。
1歳3ヶ月〜3歳ごろには、自我が芽生えてきて、自分で歯みがきをしたがる子も出てきます。
歯みがきの習慣づけという意味でも、自分でやりたいという気持ちは尊重してあげるのがおすすめです。
しかし、まだ小さいということもあり、綺麗にみがくことはできません。
そのため、ご家族の方が仕上げみがきをしてあげることが重要になってきます。
奥歯の溝の部分に汚れが多く溜まるので、そこを重点的に磨いてあげてください。
子どもが上手にはみがきをできるようになるまでは、かなりの時間を要します。
年齢で言うと8歳くらいまでかかるので、その頃までは親御さんが仕上げみがきをしてあげてください。
お子さんの健康な歯を保つため、さまざまな対策をしてみましょう。
当院では、お子さんの歯に関する相談も受け付けています。
ぜひ、心配なことがあればお気軽にいらしてください!
2023.12.14むし歯は感染症?!
こんにちは!
お子さまの大切な歯を、むし歯にしたくはありませんよね。
むし歯とは、ミュータンス菌をはじめとするむし歯原因菌から作り出される酸によって歯が溶けることです。むし歯菌は多くの人の口の中にいる細菌ではありますが、生まれたばかりの赤ちゃんの口の中にはいません。何らかの要因によってむし歯菌に感染することで、むし歯菌はそのまま口の中に棲みついてしまうのてす。
今回は、むし歯の感染経路と、お子さまの大切な歯をむし歯から守るにために気をつけるべきポイントについてお話ししていきます。
●むし歯菌の感染経路
むし歯菌の感染経路は、人から人です。そして、その感染源となるのは子どもの養育者である父母であることがほとんどと考えられています。具体的には、食事中のスプーンやコップを共有したり、愛情表現のためにキスをしたりすることが、むし歯菌の感染の原因となります。
●むし歯菌を感染させないために気をつけるべきポイント
全ての感染経路を遮断するのはなかなか難しいことですが、いずれむし歯菌に感染してしまうとしてもなるべく遅いほうがむし歯になりにくいという研究結果も報告されています。できるだけお子さまにむし歯菌を感染させないために、気をつけるべきポイントを以下にご紹介いたします。
・食器を共有したり、咬み与えをすることは避ける
離乳食が始まる頃には、スプーンやコップを使うようになるお子さまが多いかと思います。これらの食器を、大人用と子供用できちんと区別し、使い分けることが大切です。お子さま用のスプーンで味見をしたり、大人が直接口にしたものを与える(咬み与えなど)といったことは避けるようにしましょう。
・養育者である父母が歯科検診や歯科治療を受ける
お子さまへのむし歯菌の感染を予防するためには、養育者をはじめとする家族も歯科での定期検診やクリーニングなどのメンテナンスを受け、むし歯のリスクを減らしておくことが大切です。毎日の丁寧な歯磨きはもちろんのこと、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具の活用、フッ素入り歯みがき粉の使用など、むし歯菌の活動を抑えておきましょう。
今回は、むし歯の感染経路と、お子さまの大切な歯をむし歯から守るにために気をつけるべきポイントについてお話ししました。
日頃から丁寧なセルフケアと歯科での定期検診の受診を心がけ、ご自身とお子さまのお口の健康を守りましょう。
お子さまのむし歯予防についてご不明な点などございましたら、お気軽に「いちば歯科医院」までご相談ください。
2023.11.20妊娠中の歯科レントゲン撮影は大丈夫?
こんにちは!
歯科医院での治療や定期検診時には歯のレントゲンを撮りますが、妊娠中はお腹の赤ちゃんにレントゲンの影響がないか不安に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、妊娠中に歯科レントゲンを撮っても大丈夫なのか?ということについてお話ししていきます。
●歯科レントゲン撮影の必要性
歯科においてむし歯や歯周病をはじめとする様々な疾患を診断するにあたり、レントゲンでの透過画像が欠かせません。むし歯の広がり具合や、被せ物の下のむし歯、歯周病の進行状況、歯の根の状態など、お口の中を目視するだけでは判断できないことがたくさんあるからです。したがって、安心・安全に正確な治療を受けるには、歯科レントゲン撮影が不可欠といえるでしょう。
●歯科レントゲン撮影での被ばく量
「放射線」や「被ばく」と聞くととても恐ろしいもののように感じますが、歯科用レントゲンやCTの被ばく量はごく僅かなので、健康被害を及ぼすようなものではありません。そもそも、私たちは日常生活においても知らず知らずのうちに放射線を受けており、日本の平均では1人あたり年間2.1mSv(ミリシーベルト)、世界平均では1人あたり年間2.4mSvといわれています。歯科レントゲン撮影での被ばく量はそれぞれ1枚あたり、お口と顎全体のレントゲン(パノラマ)で0.03mSv、歯の小さなレントゲン(デンタル)では0.01mSv、歯科用CTでの撮影は0.1mSvです。
●妊娠中の歯科レントゲン撮影は大丈夫?
結論からいうと、妊娠中の歯科レントゲン撮影は特に問題ありません。歯科レントゲン撮影による被ばく量は、自然被ばく量と比べてもごく僅かで、安全性は確保されているといえるでしょう。レントゲンを撮らないことによって歯科疾患の発見が遅れ、それにより症状がいずれ進行したり、最悪の場合に細菌感染などにより胎児に影響が出るリスクがあることを思えば、レントゲン撮影をすることで正確な診断・治療ができることのほうが患者様にとって有益であると考えられます。レントゲンを撮影する際は、放射線防護衣を必ず着用し、被ばく量を最低限に抑えましょう。
妊娠中であっても、歯科検診や歯の治療はお口の健康を守るためにとても大切です。
ご不明点やご心配な点がある場合は、ぜひ「いちば歯科医院」までお気軽にご相談ください。
2023.08.14歯周病と不妊との関係
妊活・不妊治療中は赤ちゃんを授かるために食事や睡眠、運動に気をつけているものの、デンタルケアは手つかず、そんな人も多いのではないでしょうか?
実は、見落としがちなお口のトラブルが、妊娠を遠ざけている可能性もあるのです。
この記事は歯周病など、注意が必要な歯のトラブルと体への影響、そしてその予防策を紹介します。
歯周病とは歯ぐきが歯垢に含まれる細菌に感染して、はれたり、出血したりする病気で、症状が進行すると歯を失うこともあります。歯周病は自然治癒することがありません。
以前から妊婦さんが歯周病に罹っていると早産や低出生体重児が発生する可能性が高くなることが知られています。妊娠すると、女性ホルモンのエストロゲンや黄体ホルモンの分泌量が多くなるので、高エストロゲン・黄体ホルモン環境を好む歯周病菌が増加するのです。
この歯周病菌がプロスタグランジンという子宮収縮作用を持つ物質を発生させ、早産や低出生体重児の発生につながってしまうのです。
妊娠すると、自治体によりますが、母子手帳と一緒に『妊婦歯科健診受診券』が交付され、無料で歯科検診を受けることが出来るのは、歯周病による早産を防ぐためです。
妊娠を考えている若い女性に、歯周病の人は少ないと思われがちですが、軽い症状も含めると実は半数くらいの女性が歯周病だと言われています。
◆歯周病のある人は、健康な人より妊娠しづらい!?
オーストラリアで、「歯周病の女性より、健康な歯ぐきを持つ女性のほうが、妊娠までにかかる期間が約2カ月間短い」という研究結果が発表されました。
歯周病が妊娠の成功率に影響するのなら、今から予防しておきたいですね。
不妊治療中に歯周病にならないためにも、毎食後の歯磨き、定期的な歯科医院でのケアを!
朝晩しか歯みがきをしない人も多いようですが、基本は毎食後! 歯ブラシに加えてデンタルフロスも使用するとより効果的です。
30才以上の日本人の、約80%が歯周病にかかっているといわれています。自覚症状がないこともあるので、まずは歯科医院でのチェックをすることをおすすめいたします。
不妊治療や妊活中の歯の悩みは当医院でお気軽にご相談ください。
2023.07.18妊活中・不妊治療中の方に向けた歯科治療について
こんにちは!
当院では病院に通っているわけではない妊活中の方を含めた不妊治療中の患者様のために、安心して歯科治療を受けてもらえるように歯科治療専門外来を作りました。
- 不安なく受けられる歯科治療
不妊治療中に病院から配布される「よくある質問」の中に歯科治療に関する質問がありますよね。
『緊急の場合は歯科医師と相談』と書かれていたり、実際に先生に質問をすると『歯科の先生と相談して治療をしてください』と言われてしまうことが多いとよく耳にします。
歯科の先生と相談をしようと思い質問をすると、『薬や治療が大丈夫か産婦人科の先生に聞いてください』と言われてしまったり、当たり障りない治療で終わってしまうこともあります。
患者様は緊急性のある治療がどれなのか分かりませんし、歯科医師も何かあったら困るからと積極的になれません。
自分自身が4年間不妊治療をしていた経験があるので、自分の経験を活かして不安なく不妊治療中の歯科治療ができるようにしたいと思うようになりました。
- 診療の流れ
不妊治療の内容に合わせて歯科治療の計画を立てていきます。
妊娠を希望している方はレントゲン、投薬、麻酔に関しての資料を見ていただきながらご説明し、患者様ご本人と相談の上決定していきます。
また、治療のアシスタントを含めたスタッフは担当を決めて対応し、治療のたびにスタッフが変わらないようにしております。
- 妊活中に歯科検診が必要な理由
・母親に虫歯があると子どもの虫歯リスクも上がる
出産直後の赤ちゃんのお口の中には、虫歯菌(ミュータンス菌)が存在しません。
しかし、母親に虫歯があると唾液を介して赤ちゃんの虫歯リスクが上がるといわれています。これから生まれてくる子どもの虫歯を防ぐためには、まずお母さんの虫歯を治し、口腔環境を整えておくことが大切なのです。
・歯周病が胎児に影響を及ぼすことも
近年では、歯周病が胎児の健康状態に悪影響を及ぼす可能性があることが分かっています。
母体が歯周病にかかっていると、早産や低体重児出産のリスクを高める恐れがあります。そもそも女性は妊娠するとホルモンバランスの影響で、より歯周病にかかりやすくなってしまいます。
歯周病を予防・治療するためにも、できるだけ妊娠前に歯科検診を受けておきましょう。
・妊娠すると治療に通いにくい
歯科治療は妊娠してからでも受けることができますが、安定期(16週~)までは控えたほうがいいといわれています。また、つわりがひどいときや、お腹が大きくなったときは、治療そのものが困難になることも。
体力的にも余裕のある妊娠前に治療しておいたほうが安心です。
妊活中や不妊治療中は、いろいろと心配になったり不安な気持ちがわいてくるものです。
そんな時は、ぜひお気軽に「いちば歯科医院」へご相談下さい。