歯医者で働く、子どもを持つママ達のブログ

2023.06.16子どものおやつ、適量は?

子どもにおやつをねだられるけど、どれくらいまでなら食べさせていいのだろう…と悩んだ経験はありませんか?

むし歯のリスクもありますし、心配ですよね。

おやつを通して、適切な食育をしていくことで、栄養学的にも、歯科的にも健康に子どもを育てていくのが重要です。

規則正しい食習慣や、よく噛むことを学ばせることで、歯の病気になりにくくすることができます。

ここでは、おやつの目的や注意点などについて紹介していきます。

 

・おやつの目的

おやつは、間食ともいいます。

間食という呼び名の通り、食事の間にとるものです。

食事の間隔は、4〜5時間が適切なのですが、6〜7時間や、それ以上開いてしまう日もあるでしょう。

そんな時に、夕食を食べすぎないためにとるのが間食、おやつなのです。

 

・おやつの量

おやつというと、グミやキャンディなどのお菓子を思い浮かべる方も多いと思います。

ですが、お菓子はなんといってもエネルギー(カロリー)が高いです。

おやつを食べすぎて、夕食が食べられなかったり、カロリーを気にするあまり食べなさすぎて夜食をとってしまったりするのはよくありません。

おやつの量は、だいたい、1日に200キロカロリー程度が適切だとされています。

お菓子だけでなく、果物などもあげることで、健康的におやつを食べられるでしょう。

 

・200キロカロリーってどのくらい?

200キロカロリーと言われても、だいたいどのくらいかわからない…そんな方もいらっしゃると思います。

おせんべい3〜4枚、ポテトチップス2分の1袋程度、どら焼き1つくらいが200キロカロリーです。

このくらいなら、夕食に影響も出ず、夜中にお腹が空いてしまうことも防げるかと思います。

 

・おやつの選び方

まずは、前述したエネルギー量。

だいたいどの食品にも、エネルギー量は記載されているので、よく確認してから選ぶようにしましょう。

次に、糖質や脂質の量。

エネルギーが低くても、糖質や脂質をとりすぎると肥満などが起こります。砂糖が多いとむし歯のリスクも増えてきます。

そのため、糖質や脂質の量にも気をつけながら選ぶのがよいです。

個包装になっているものを選ぶと、食べ過ぎも防ぎやすいでしょう。だらだら食べていると、むし歯のリスクが高まります。

やわらかいものばかりでなく、硬いものも選ぶと、歯や口の筋肉が鍛えられるという効果が期待できます。

 

・おやつを食べた後は…

おやつを食べた後は、必ず歯磨きをしてください!

適切な量のおやつを食べても、歯磨きをしなければ、むし歯になってしまいます。

だらだら食べず、食べた後歯磨きをすることで、むし歯のリスクは大きく減らすことができます。

 

・さいごに

おやつは、お子さんと親御さんの絆を深める大切な時間でもあります。

果物の皮を剥いてみたり、ホットケーキなどを焼いてみたり、といった経験も培うことができるでしょう。

生活習慣病であるむし歯や歯周病と、肥満との間には大きな関係があるので、肥満も防ぎつつ素敵なおやつの時間を過ごしましょう!

 

2023.05.07子どもが転んで歯を怪我したら?!

こんにちは!

子どもが転んで歯を怪我することは珍しいことではありません。いざという時どのように対処すればよいかを心得ておくことは大切です。外傷の対処法をパターン別にご紹介していきます。

歯が欠けた(破折)

転倒や衝突により歯が欠けてしまうことがあります。小さな欠けであれば、痛みも少なく、神経や歯ぐきへの影響も少なくすみ、歯科医院で修復することができます。大きく欠けてしまった場合は、強い痛みや歯ぐきの腫れを生じることもあります。特に、歯髄(歯の神経)まで達しているかどうかにより処置が変わってきます。

いずれの場合も、受傷から治療までの時間が短いほど、元の形に修復できる可能性が高くなります。歯の破片はティッシュなどに包んだりせず、乾燥しないように牛乳または歯牙保存液、生理食塩水に浸した状態で歯科医院までお持ちください。歯牙保存液や生理食塩水は、薬局などで市販されています。牛乳アレルギーのある場合は、牛乳に浸すことは避け、歯牙保存液もしくは生理食塩水をお使いいただくようお願いいたします。

歯がぐらぐらしている(動揺·歯根破折)

歯そのものがぐらぐらしている場合と、歯の根が折れてぐらぐらしている場合があります。出血を伴う場合は、清潔なガーゼなどで止血を行い、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。歯を元の位置に戻してからワイヤーなどで固定するなどの処置をします。

歯が完全に抜けてしまった(脱離)

この場合も、受傷から治療までの時間が短ければ、歯を元の位置に植えなおせる可能性もあります。受診までの時間は30分程度が理想的です。歯の組織が生きているうちであれば、予後も良好であるといわれています。

抜けた歯の歯根膜(歯の根のまわりについていて、歯と骨をつなぐ役割をもつ膜)を保護することために、なるべく歯の根は触らず、土などで汚れてしまっていたとしても、こするように洗うことは避けましょう。牛乳または歯牙保存液、生理食塩水に浸した状態で歯科医院までお持ちください。

このように、歯の怪我はすぐに処置が必要なケースがほとんどです。処置が成功しても、後々永久歯に影響を及ぼす可能性もあるため、その後の経過観察も重要となってきます。

歯を怪我した時は放置せず早めに歯科医院を受診し、適切な処置を受けるようにしましょう。

 

2022.12.20子どもの早食いについて

こんにちは!

食事のスピードは人によって様々ですが、食べるのが早い子もいれば、いつまでも食べ終わらない子もいます。

早食いは良くない、よく噛んでゆっくり食べると良いと言われていますが、大人とは違い、子どもはよく噛んで食べようと意識するのはなかなか難しいですよね。

今回は子どもの早食い防止策について話していきたいと思います。

 

 

●早食いが良くない理由

肥満になる

一気に胃袋に詰め込もうとすると、そのスピードに満腹中枢がついていけません。

満腹中枢が追いついた時にはすでに腹十分、腹十五分になってしまっています…。この状態がいつまでも続くと、もちろん肥満になってしまいますよね。

 

むし歯のリスクが高まる

噛む回数が少ないと、唾液の分泌量は減少します。

唾液には、口内の細菌を洗い流す自浄作用がありますが、分泌量が少なくなればこの作用も弱くなり、むし歯や歯周病、口臭などのリスクは高まります。

 

・消化不良、胃に負担がかかる

何回も噛んで唾液で十分に柔らかくなったら食べ物は消化しやすい状態で胃に運ばれます。
あまり噛まなければ食べ物の塊が大きいまま胃に入り、大きな負担がかかってしまいます。
早食いをすることで消化不良にもなりやすく、胃痛や嘔吐下痢、場合によっては胃腸炎などにも繋がります。

 

・歯や顎の骨に悪影響

よく噛むということは顎の発育にとても重要です。
噛むことで顎の骨は強くなり、周りの筋肉も強くします。噛むことが少なくなると顎の骨の成長や、筋肉の成長に悪影響が出る可能性があります。

 

 

●早食い予防法

・「よく噛む」ことを意識させる

・食材は大きめに切る

・やわらかくし過ぎず歯ごたえを残す

・主食とおかずに分けて2皿以上にする

・ひと口の量が多い子は、小さめのスプーンやフォークを使う

・家族と会話しながら食べる

などなど日頃の一工夫で早食いは予防できます。

ぜひ試してみてください。

 

噛むことは唾液の分泌を促します。
早食いをすると、大切な唾液が分泌されにくいので歯を守れません。

子どもに限らず、大人にも糖尿病などの生活習慣病、膵臓への負担、潰瘍の悪化、老化促進など、とても多くの悪影響があります。

子どもの頃からの早食いは、大人になってから改善しにくいため、ゆっくりよく噛んで食べることを今から習慣づけていくことが大切です。
それが子どもの肥満対策になり、大人になってからも生活習慣病予防にもつながります!
できることから一緒に始めていきましょう。

不安やお悩みがございましたら、お気軽に「いちば歯科医院」へご相談下さい。

2022.10.21乳歯が抜けても永久歯が生えてこない!?

お子さんの乳歯はたいていの場合、6歳頃に生え変わり始めますね。

下の前歯から始めに抜け、次に臼歯…とみるみるうちに生え変わっていくのがほとんどだと思います。
しかし中には、「乳歯が抜けたのはいいものの、永久歯が生え変わって来ない」といった問題を抱えたお子さんもいます。
今回は、その原因や対処法についてご紹介させていただきます。

◆原因① 歯が生えてくるはずの隙間がない
これが「乳歯が抜けたのはいいものの、永久歯が生え変わって来ない」お子さんの一番の理由の場合が多いそうです。
特に上の前歯は頻繁に起こってしまうそうで、なぜだかわかりますか?

それは、生え変わりに合わせて上顎が成長できていないからです。
正常なら、上の前歯が生えてくる時に上顎が成長して大きくなり、永久歯が生えてくるスペースが自動的にできるのですが、多くのお子さんは生え変わりの時期にまだ成長しきれていない場合が多いそう。
だから、前歯が生えてくるスペースが不十分で、生えたくても生えることができない状況になっているのです。

◇対処法は?
焦って歯科矯正をしなくとも、時間の経過で生えてくる可能性があります。
ですが、他の生えることのできる永久歯が生えてから生えることとなるので、少し歯並びが気になったりすることも。
なので、気になる方は歯科医師と相談するといいでしょう。

◆原因② 埋伏歯
聞き慣れない単語に疑問を浮かべた方もいるかもしれません。
乳歯が抜けても永久歯が生えてこない原因の一つに、埋伏歯というものがあります。
埋伏歯とは、漢字通り「歯が埋まって出てこない」状態のこと。
この場合は、原因①で紹介した上顎のケースと違い、それより少し危ない状態です。
なぜなら、時間経過でも生えてこないからです。

◇対処法は?
埋伏歯と判明すれば、直ぐその埋まった歯を本来出てくるはずの場所へ引っ張り上げなければなりません。しかし発見が遅ければ、引っ張り出すことが難しくなってしまうことも…
なので、大切なのが「歯医者の定期検診」です!
定期的に永久歯の生え変わりを確認することが、埋伏歯の早期発見となります。

◆原因③ 先天性欠如
お子さんによっては、生まれつき永久歯がないということも十分あります。
驚かれた方もいると思いますが、実は最近の日本小児歯科学会の調査によると、10人に1人の確率(10.1%)で先天性欠如のお子さんがいるそう。
先天性欠如とは簡単に言うと「乳歯がいつまで経っても抜けなくて、永久歯が生えてこない」ということになりますね。

◇対処法は?
対処法はありませんが、対策があります。
それは、「生えてこない永久歯の代用となる、その乳歯をどれだけ大切に残すか」です。
先天性欠如は誰が持っていてもおかしくないので、日ごろから永久歯だけでなく乳歯も大切にして、歯磨きを欠かさずしていけば何も問題はありません。

いかがでしたか?歯磨きの仕上げなどでお子さんの歯の状態を見ると思いますが、乳歯が抜けたのに、永久歯が生えてくる気配が無かったりすれば、歯科医師さんに相談してみるのもいいと思います。

このような不安や悩みがございましたら、お気軽に「いちば歯科医院」へご相談下さい。

2022.09.27お子さんの交叉咬合(こうさこうごう)について

交叉咬合(こうさこうごう)、皆さんは聞いたことがありますか?
あまり知らない方も多いのではないでしょうか。そんな『交叉咬合』について、今回は詳しく掘り下げていきます。

◆交叉咬合ってなに?
まず、交叉咬合とは、一言で言えば『噛み合わせの異常』です。
この症状に悩まされる年齢層は様々で、4才くらいからの小さなお子様や大人まで、幅広く私達を悩ませています。
しかし、噛み合わせの異常と聞いても、歯並びがガタガタですとか、その様な漠然とした状態しか想像できない方が多いと思います。
そこで、交叉咬合についての色々なパターンを一つずつ見ていこうと思います。

●交叉咬合(こうさこうごう)
本来、下の歯は上の歯の内側にありますが、それがひとつの歯や数本にわたって反対になっている状態を『交叉咬合』と呼びます。
最も多い症状から、交叉咬合といえば基本的にはこのパターンです。
この場合、成長につれて、顎の骨の形も横に曲がっていってしまうため、できるだけ早く治療を開始する必要があります。

●開咬(かいこう)
上下の歯の間に大きな隙間ができてしまい、前歯が噛み合っていない状態のことを『開咬』といいます。
もしお子さんがいらっしゃるなら少し注意して見ていただきたいのですが、この開咬はお子さんの『舌突出癖』(唾を飲むとき、上の歯と下の歯の間に舌を挟んでしまう癖のこと)や『指吸い』のせいで発症する場合が多いのです。

●反対咬合(はんたいこうごう)
反対咬合とは、下の前歯、あるいは下顎全体が前に出ている状態をいいます。(『受け口』と呼ぶ地域もある様です)
こちらは比較的気付きやすいので、放置せずになるべく早めの治療をお勧めします。

●出っ歯
出っ歯もかなり想像しやすいのではないでしょうか。
出っ歯は『上顎前突』という正式な名称がついており、いわば上記で説明した『反対咬合』の『反対』です。
上の顎が出ている、出過ぎている状態や、逆に下の顎が引っ込みすぎているという状態を表します。

◆交叉咬合の原因は?
開咬(かいこう)の欄で少し触れましたが、お子さんの場合は、4才くらいになっても爪噛み・指しゃぶりが卒業できていないお子さんや、舌の癖が悪く、口呼吸をよくするお子さんが交叉咬合になりやすいと言われています。

◆もしなってしまった場合は?治療法はあるの?
治療する事ができますので、ご安心ください。まずは歯科医師に相談し、お子さん1人1人に合わせた治療法を確立することが大切ですが、多くはマウスピースなどによる矯正治療で、綺麗な美しい歯に戻していきます。

いかがでしたでしょうか。
『交叉咬合』、字体の感じがパッと見難しそうに感じ、身近で誰もがなりやすいような症状だとは思わなかった方もいたと思います。
お子さんが思春期になって、歯並びで悩み始めた時にはかなり治療が難しいことになってしまっている場合もあります。その場合は、直接顎の骨から整形しないといけない等、大掛かりな施術が必要になってしまいます。
そうなると、もちろんお子さんの負担もかかりますし、治療費もそれなりに多く取られてしまいます。
そして、歯並びの悪さは外見だけではなく、運動や普段の生活のおいても支障をきたしてしまう場合もあります。ものによっては歯が折れやすくなってしまったり、集中しにくい歯並びだったり・・・

そうならないためにも、普段からお子さんの歯みがきの仕上げや、一緒におしゃべりするときなど、ちゃんと歯の様子を見ていてあげてください。
よくない癖があれば優しく注意し、それだけで癖が治りそうになかったら、専用の楽しく噛めるおもちゃなどもたくさん増えています。
楽しく予防していきましょう!
何かお困りの事がございましたら、お気軽に「いちば歯科医院」へご相談下さい。