歯周病と糖尿病について その1
2020年04月30日
新型コロナウイルスの流行で、皆さん感染防止に気を遣っておられることと思います。
高血圧や心臓病などの基礎疾患があると重症化しやすいと言われていますね。
糖尿病は他の基礎疾患と同じく、重症化のリスクの一つである可能性が指摘されています。
この機会に、糖尿病は歯周病とも深い関わりがあることを数回に分けてご説明します。
まず糖尿病ってどういう病気?というところからおさらいしてみます。
文字通りに捉えると「尿に糖が出る病気」となりますが、日本糖尿病学会によると、「インスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝疾患群」 うーんムズカシイ…
簡単にいうと「高血糖が慢性的に続く病気」のことです。
日本には糖尿病有病者と糖尿病予備群は合わせて約2200万人います。
しかしこれははっきりわかっている数字で、あるデータでは実際は4000万人ほどはいるのではないかとも言われています。
驚きの数じゃないですか?
なぜこんなに多いのかというと、その背景には現代人の食生活が大きく関与していると言えます。
食事をすると血糖値が上がりますよね。
人間の体は血糖値を下げるためにインスリンというホルモンを分泌しますが、1日3回の食事の他に、頻繁におやつやジュース、お酒、夜食などを摂っているとその度にインスリンを分泌しなければなりません。
インスリンは膵臓の中の膵島と呼ばれる組織で作られていますが、その全てを集めてもたった1gしかありません。その小さな小さな組織が生命に関わるインスリンを生み出しています。
重要な点は、血糖値をあげるホルモンは多種類存在しますが、血糖値を下げるホルモンはインスリンしかないということです。つまり、この飽食の時代にあって現代人の膵臓は休む暇もなく働かされているわけです。
皆さん、休む暇なく働いたらどうなります?
当然疲れますよね? 仕事の能率も落ちますよね? 体を壊すこともあり得ます。
膵臓も同じなんです。
膵臓に過剰な負担がかかると時間経過とともにインスリン分泌能力は低下していきます。
そして、糖尿病を発症してしまうと‥
インスリン分泌能力は健常人の半分まで落ち込んでしまうのです。
そうなると生涯食事制限をしていかないといけません。
食事制限もせず、好きなものを好きなだけ食べていると命に関わってくるのです。
間食やお酒の量が多い方、
ちょっと食べるのを控えて膵臓をいたわってあげようという気持ちになったんじゃないでしょうか?
次回は、糖尿病になるとどういう症状が出てくるかをお話しします。