歯がしみるのはなぜ? その2
2021年04月20日
こんにちは。
勤務医の森です。
前回に引き続き、このコラム担当させていただきます。
前回では、象牙質がむき出しになるとシミが出やすくなる、ということをお話しさせていただきました。
今回は象牙質がむき出しになってしまう原因を考えていきたいと思います
(1)歯周病
(2)虫歯
(3)歯磨きをする時のブラッシング圧が強い
(4)歯ぎしりのせいで歯がすり減る & 欠ける
主な原因はこんなところでしょうか。
順番に見ていきます。
(1)歯周病
前回と内容がカブりますが、歯周病で歯肉がやせると歯根が露出します。
歯根の表面のセメント質は簡単に剥がれてしまうため、内側の象牙質が露出してしまいます。
(2)虫歯
う蝕とも言います。
歯の表面のエナメル質が溶けてしまうことで、象牙質が露出してしまいます。
ですから、虫歯が象牙質まで進行したときに痛みやしみが起きるわけです。
(3)歯磨きをする時のブラッシング圧が強い
歯ブラシを強く当てすぎると、歯がすりへっていく事があります。
歯磨きくらいで?と思われるかもしれませんが、ブラッシング圧が強すぎると歯はすり減っていきます。
歯は硬い組織ですが、歯磨きは毎日何回もするものですのでバカにはできません。
具体的には歯肉と歯のキワの部分の歯がすり減っていってしまいます。
では歯に優しい歯ブラシの持ち方はどちらでしょうか?
答えは②です。
鉛筆を持つような感じで持つのがgood!
①はグーで握っていますが、力が入りすぎて歯には良くありません。歯がすり減ります。
『力を入れないと磨いた気がしない!!』という方もいらっしゃると思います。学生時代の僕もそうでした。
けれど、②の持ち方で十分きれいになります!!
歯磨きをするときも『歯に優しく』を心がけましょう!!
(4)歯ぎしりのせいで歯がすり減る & 欠ける
歯ぎしりをしている時は、歯に強い力がかかります。
特に寝ている間は自分で力のコントロールができないため、非常に強い力がかかってしまいます。
歯の表面のエナメル質は非常に硬い組織ですが、上下の歯がお互いに当たる部分はすり減っていきます。歯ぎしりがなくても徐々にすり減りますが、歯ぎしりがあるとすり減るスピードが格段に速くなります。
また歯ぎしりは、歯の側面にもダメージを与える事があります。
絵の青丸の部分はエナメル質とセメント質の境目で、歯ぎしりをすると『引張応力』という力が集中する部分です。
歯ぎしりがひどいとこの部分に小さなヒビが入り、歯が少しずつ欠けて破壊されていきます。
アブフラクションとも言います。
歯ぎしりは寝ている間に起きるので、自分でコントロールすることは困難です。
対策としては、上顎にマウスピースを装着して歯ぎしりの力を分散させる方法があります。
お口にマウスピースを入れるので多少違和感はありますが、保険を使ってできる治療になります。
マウスピースに抵抗のある方には、咬筋ボトックス治療というものも行なっております。
保険は効きませんが、マウスピースは使わずに歯ぎしりをする筋肉の力を和らげてやる治療になります。
4つの原因についてお話ししましたが、実際には複数の原因によりシミが生じることが多いようです。
あまりシミがきついようでしたら一度ご相談ください。