食いしばりとその対処法について
2022年11月01日
こんにちは!
医)いちば歯科医院 院長の市場亮志です。
最近仕事をしていて感じるんですが、
歯ぎしり、食いしばりでお口の中にいろいろな問題を抱えておられる患者さんがかなり増えたなという印象を受けます。
ストレス社会ですので、気がついたら食いしばりをしてしまっているという方も多いのではないでしょうか。
食いしばりは、無意識にしてしまう事が多いです。自分自身が思っているよりも相当強い力でしている事が多く、歯や歯ぐきを痛める事があります。
今回は、食いしばりの原因と、食いしばりによって起こる症状などをご紹介していきます。
●食いしばりの原因
・精神的要因
食いしばりの主な原因は、ストレスや緊張です。
ストレスがあると、交感神経が優位になるので、口の周りの筋肉が緊張し、食いしばる状態になりやすくなります。
・物理的要因
噛み合わせが低い部分や、高い部分があると、しっかり噛む事ができずに、脳が噛む力を強くしようと働きます。その結果、食いしばりの力が強くなる事があります。
●食いしばりにより引き起こされる症状
長時間、歯を強く食いしばると歯に大きな負荷がかかります。
この負荷が蓄積することにより、歯が破損してしまうことがあります。また、歯の亀裂から知覚過敏を発症し、冷たいものが歯にしみるといった症状が表れる方もいらっしゃいます。
さらに、食いしばりによる歯への物理的なダメージは、むし歯、歯周病などを引き起こすこともあります。
歯をよく食いしばる人は、顎関節症を患うことがよくあります。また、肩こり・頭痛など、全身に思いもよらない症状を引き起こしている事もあります。
●食いしばりの対策法
1.全身のストレッチ運動
首・肩・手足・腰などを伸ばす運動をし、筋肉の緊張をほぐします。
首や肩がこっていると、食いしばりを起こしやすくなる事もあるので、きちんとほぐしましょう。
2.上下の歯を接触させないように意識する
食いしばるのが癖になっている人の場合、長時間上下の歯が接触した状態となっており、これが歯や全身にダメージを与えます。
唇を閉じたときに上下の歯が接触しないように意識的に離すようにすると、食いしばりによる体への負担を減らせます。
3.頬杖などの癖を治す
頬杖は顎に負担をかける癖です。顎関節に偏った力がかかり、噛み合わせが悪くなり、食いしばりを助長させてしまいます。なるべく頬杖をするのはやめましょう。
4.マウスピースを装着する
歯科医院で歯の型を取り、自分専用のマウスピースを作成し、夜寝ている間に装着して、寝ている間に無意識に食いしばりをするのを防ぎます。
マウスピースを装着する事で、力を分散させ、ダメージを軽減できます。
5.咬筋ボツリヌス治療
これは噛む時に働く「咬筋」という筋肉に注射をして、筋力を弱めることで食いしばり時の過大なパワーを制限し、歯や歯の周囲組織、顎関節の負担を和らげるという治療です。
効果は半年くらいですが、自分で特に意識することもなく食いしばりがなくなりますので患者さんには非常に喜ばれています。定期的に治療をうけられる方も大勢おられます。
詳しくはこちらをご覧ください
https://www.icb-6480.com/shinryo/botox.html
●食いしばりは歯医者へ相談
食いしばりの癖は、歯や歯ぐき・顎関節を痛め、様々な悪影響を及ぼします。
また、口の周囲の筋肉にも影響があるため、頭痛や肩こりなどの全身症状を引き起こす事もあります。食いしばりは、ストレスなどの様々な要因が重なり、発生します。
食いしばりをしていると感じている方は、上記の対策法を試してみましょう。
それでも治らない場合は早めに歯科受診をしましょう。
食いしばりで不安や悩みがございましたら、お気軽に「いちば歯科医院」へご相談下さい。