子どもでもデンタルフロスは使ったほうがよい?
2023年10月25日
皆さんこんにちは。
医療法人いちば歯科医院 理事長の市場亮志です。
いつもブログを読んでいただきありがとうございます。
毎日のお子さまの歯磨き、歯ブラシだけで「しっかり磨けている!」と思っていませんか?
実は、乳歯や生えたての永久歯はとてもむし歯になりやすく、歯ブラシだけではケアが不十分な場合が多いのです。
今回は、子どもにもデンタルフロスが必要な理由や選び方、そして正しい使い方についてお伝えします。
●歯ブラシだけでは6割しか汚れが落ちない
歯ブラシで落とせる汚れは、実は約60%と言われています。
特に「歯と歯の間」は毛先が届きにくく、汚れ(プラーク)が溜まりやすい場所です。
この部分のプラークは、むし歯菌が酸を出して歯を溶かし、気づかないうちにむし歯が進行することもあります。
逆に言えば、フロスを併用すると8~9割の汚れを落とすことができ、むし歯予防の効果がぐっと高まります。
また、歯茎の炎症(歯肉炎)の予防にもつながり、将来的な歯周病リスクを減らすことができます。
「仕上げ磨きしてるから大丈夫!」と思われがちですが、仕上げ磨きこそフロスが力を発揮するタイミングです。
●子どもはなぜむし歯になりやすいの?
乳歯や生えたての永久歯には以下の特徴があります:
エナメル質が薄く弱い
食べカスが残りやすい歯並び
自分では磨きにくい
特に奥歯が生えてきた頃は歯と歯の間が接してきて、見えない場所にプラークが残りがち。
「気づいたら歯と歯の間が黒くなっていた…」というご相談は本当に多いのです。
だからこそ、歯が生えそろう時期からのフロス習慣がとても大切なんですね。
●お子さま向けデンタルフロスの選び方
デンタルフロスは、細いナイロン繊維が汚れを絡め取る清掃器具です。
タイプは大きく2つ👇
| タイプ | 特徴 | おすすめ対象 |
|---|---|---|
| ロールタイプ(糸巻き) | 指に巻き付けて使う。細かい調整が可能 | 慣れた大人向け |
| ホルダータイプ(Y字・F字) | 持ち手がついて操作しやすい | 子どもや初心者向け |
小さな手でも扱いやすい「子ども用ホルダータイプ」を選ぶと、嫌がりにくいのでおすすめです。
キャラクターデザインのものを選ぶと、楽しく取り組めるお子さんも多いですよ。
●ホルダータイプの正しい使い方
フロスは前歯以外も生えてくる2歳頃からスタートできます。
1️⃣ 歯と歯の間にゆっくりフロスを入れる
※のこぎりのように小刻みに横方向に動かし、歯ぐきを傷つけないように
2️⃣ 歯の側面に沿わせて上下に数回動かす
3️⃣ 反対側も同じように
4️⃣ 取り出すときもゆっくり横に動かして抜く
力任せに「バチン!」と入れてしまうと痛くて嫌がってしまいます。
優しく、時間をかけて行いましょう。
●実はフロスを使っている家庭は少ない…
厚労省の調査によると、1~4歳の幼児でデンタルフロスを使用している割合はわずか約15%。
ほとんどのご家庭ではまだ習慣化できていない状況です。
むし歯は「治す」よりも「予防する」方がはるかに簡単で、お子さまの負担も少なくて済みます。
そのためにも、毎日の歯磨きにフロスをプラスしましょう!
●最後に
フロスを使う最初の目的は、むし歯予防。
でも続けていくことで、お子さま自身が「歯を大切にする習慣」を身につけていきます。
最初は親御さんの仕上げ磨きと一緒に。
慣れてきたら少しずつ自分でできるようにサポートしていきましょう。
わからないことや、フロスの選び方・使い方に不安があれば、いつでもスタッフにお声がけください。
一緒にお子さまの大切な歯を守っていきましょう!







