歯が黒いのはむし歯?着色?
2024年02月20日
みなさんこんにちは
医)志尊会いちば歯科医院 理事長の市場亮志です。
鏡でご自身の歯を見た時に、黒くなっているとむし歯かもしれないとドキッとすることがあるかもしれません。
歯が黒くなっているのは着色である可能性もありますが、むし歯と着色にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回はそのことについてお話しします。
●むし歯はなぜ黒くなる?
むし歯とは、むし歯の原因となる細菌が産出する酸によって歯が溶かされる病気です。初期のうちは乳白色ですが、むし歯が進行するとともに黄色、茶色、黒色へと変化していきます。
むし歯が黒くなる理由には主に2つあり、そのうちの1つは細菌が産出する硫化水素です。これが口の中の鉄分と反応して硫化鉄となり、歯の成分であるコラーゲンに付着して黒色に見えるようになります。むし歯が進行して象牙質にまで達すると硫化水素が溜まりやすくたるため、はっきりとした黒色に見えるのです。
もう1つは、細菌が作り出す色素と食べ物由来の色素です。むし歯で歯のミネラルが溶け出して脱灰し、柔らかくなった状態のところに色素が沈着すると、黒く見えます。
●着色はなぜ黒くなる?
歯に着色汚れが付着すると黒く見えることがあります。煙草のヤニなどもその代表例です。
着色しやすい・しにくいは人それぞれ差がありますが、ワインやコーヒーなどの着色しやすいものを日常的に摂取している人は注意が必要です。
●むし歯と着色の違い
むし歯と着色の違いには様々な点がありますが、主に以下のようなことが挙げられます。
・痛み
黒くなるほどに進行しているむし歯では痛みが生じることも多くありますが、着色は歯が溶けているわけではないので痛みや違和感は一切ありません。
・レントゲンへの映り方
進行したむし歯はレントゲンで黒く映りますが、着色は歯の表面で起こっていることなのでレントゲンには映りません。
・場所
むし歯は特定の歯に起こりますが、着色は1本だけでなく複数の歯に同時に見られることがよくあります。
・表面の状態
むし歯は歯が溶けている状態なので、歯の表面が柔らかくなっています。そのため、黒くなっているところを尖った器具で触れるとボロボロと崩れます。一方、着色の場合は歯の表面は硬いままです。
●まとめ
今回はむし歯と着色の違いについてご紹介しました。外から見ただけではむし歯か着色か見分けられないこともあるので、少しでも気になったら早めに歯科医院を受診しましょう。