飛行機に乗ると歯が痛くなる?!
2024年03月23日
出張や旅行など飛行機に乗る機会がある方も多いかと思いますが、機内で歯が痛くなる「気圧性歯痛」をご存じですか?なぜ歯が痛くなってしまうのか知っておきましょう。
●上空と地上の気圧の違い
気圧とは地表における圧力のことで、地上においては1013hPaを標準大気圧としています。気圧は高度と関係があり、高度が増せば気圧は下がっていきます。これは、上方に行けば行くほど空気が減るためです。つまり、気温や季節などの条件が同じであれば、海辺よりも山の上の方が気圧は低くなるということです。
飛行機が飛ぶ高度は約10,000mで、この高さになると約0.2気圧になります。そのため、飛行機の中の気圧を0.8気圧程度に調整することで、なるべく体に負担がかからないようにしているのです。とはいえ、この気圧の変化により体に不調が起こることもあります。飛行機の離着陸の際に耳が痛くなることもその一つです。
●機内で起こる「気圧性歯痛」とは
飛行機に乗った際に気圧の変化によって歯の痛みを生じることを「気圧性歯痛」といいます。機内以外でも、登山やスキューバダイビングなど、気圧の変化が大きい場所に行くと起こることがあります。この歯痛は、健康な歯であれば起こることはほとんどありません。
●気圧性歯痛はなぜ起こる?
飛行機の高度が上がって気圧が低くなると、外側から抑える力よりも内側から押し返す力が強くなります。スナック菓子の袋が機内でパンパンに膨らむのと同じことです。
歯でも同様のことが起こります。歯の表面は硬いエナメル質に覆われていますが、その内側に象牙質があり、さらにその内側には神経などが通っている歯髄腔があります。歯髄腔は空洞のような状態になっているので、気圧の変化によって影響を受けやすいのです。むし歯になっている歯や既に治療中の歯がある場合、気圧の変化によって患部が圧迫され、強い痛みを生じることがあります。
●気圧性歯痛を起こさないために
日頃からお口の健康管理に気を配って丁寧にセルフケアを行い、さらに定期的に歯科検診を受けることが大切です。定期的に受診をしていれば、万が一むし歯が見つかったとしてもすぐに治療ができますし、早期にむし歯を発見できれば治療にかかる負担も軽く済みます。
万が一機内で気圧性歯痛が起こってしまったときは、鎮痛剤を服用するなどの応急処置をとるようにしましょう。
●まとめ
今回は気圧性歯痛についてご紹介しました。むし歯や治療中の歯がある状態だと、気圧性歯痛が起こる原因となります。できるだけ治療を完了させてから飛行機に乗るようにしましょう。そして、日頃から丁寧なセルフケアと定期的な検診の受診でむし歯の予防に努めましょう。