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歯の詰め物と被せ物は何が違う?

2024年10月15日

こんにちは、
医療法人志尊会 理事長の市場亮志です。

歯の詰め物と被せ物は何が違う?歯科医が分かりやすく解説します。

むし歯の治療を受けた経験がある方なら、「詰め物」や「被せ物」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。どちらも歯の欠けた部分やむし歯を補うために使用する補綴物(ほてつぶつ:歯の形や機能を補う人工物)ですが、適応範囲や目的には明確な違いがあります。「自分の治療はどっちになるの?」「銀歯と白い歯は何が違うの?」と疑問を持つ患者様も多いので、今回はその違いを分かりやすくまとめました。

■詰め物(インレー)とは?

詰め物は、むし歯で削った範囲が比較的小さい場合に使用します。歯の一部だけを補う形で作られるため、「部分的な修復」と言えます。治療の流れとしては、むし歯を削り、型取り(もしくは歯科用3Dスキャナー)を行い、後日詰め物を装着するのが一般的です。

素材には以下の種類があります。

素材特徴保険適用

コンポジットレジン(樹脂)

 

白く目立ちにくい・小さなむし歯に適応

金属(銀歯)

 

耐久性が高く奥歯に使われることが多い
セラミック色が自然・汚れが付きにくい・経年劣化が少ない✕(自由診療)

最近では見た目の自然さを求めてセラミックを希望される方が増えていますが、保険でも自然な見た目が可能なケースはありますので、ご相談いただくことが大切です。

■被せ物(クラウン)とは?

被せ物は、むし歯や破折により歯の大部分が失われた場合、または根管治療(神経治療)を行った歯に必要となります。歯全体を覆う「かぶせる治療」であり、強度と機能を保つ役割が重要になります。

選べる素材は、見た目や耐久性によってさまざまです。

素材特徴保険適用

金属冠(銀歯)

 

強度が高いが目立つ

CAD/CAM冠(白い樹脂系)

 

保険で白い歯が可能・条件あり〇(一部適応)
セラミック自然な透明感・汚れが付きにくい・金属アレルギーの心配なし✕(自由診療)

被せ物は噛む力が強くかかる奥歯でもしっかり機能回復できる点が大きなメリットです。

■詰め物と被せ物の違いを簡単にまとめると…

項目詰め物(インレー)被せ物(クラウン)

適応範囲

小さなむし歯・部分修復大きな損傷・歯全体の補強
削る量

少ない多い
治療期間

比較的短いケースにより複数回
目的欠けた部分を補う歯の形・強度を全体的に回復

 

■どちらが良いかは自分で選べる?

「どうせなら小さい治療で済ませたい」「見た目を良くしたい」などご希望はそれぞれありますが、どちらを使用するかは歯の残り具合で決まります。歯科医師は、残った歯質の量や噛み合わせ、将来の破折リスクを含めて総合的に判断します。

無理に詰め物で済ませると…
→ 数年後に歯が割れて抜歯になるリスクも。

逆に必要以上に被せ物にすることも適切ではありません。大事なのは「歯をできるだけ長持ちさせる選択」です。

 

■まとめ:早期治療・予防が一番の近道

詰め物も被せ物も、失った歯を補うための治療ですが、元の歯が一番良いことに変わりはありません。むし歯は気づかないうちに進行し、治療が大きくなるほど、費用も期間も歯へのダメージも大きくなります。

だからこそ、

  • 定期的な検診・クリーニング

  • 早期発見・早期治療

これが何より大切です。

歯は一生もの。気になる症状があれば、放置せず早めにご相談くださいね。

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